夫を突然亡くしたあと、悲しむ間もなく始まったのが「手続きの日々」でした。
死亡届に始まり、遺族年金、保険、名義変更……。やってみて初めてわかったのは、誰も全体像を教えてくれないということです。この記事では、私が実際にやった手続きを一覧にして、特に大変だったものを順番に、正直に書きます(お金の面で困った話はこちらの記事に書きました)。
これから同じ手続きに向き合う方が、少しでも見通しを持てますように。
私が実際にやった手続きの一覧
時期はおおよそです。家庭によって順番も内容も変わりますが、わが家はこうでした。
直後(〜数日):死亡届の提出、葬儀の打ち合わせ
葬儀後すぐ:葬祭費の申請、健康保険の切り替え、遺族年金の申請、児童扶養手当の申請、生命保険の請求、住宅ローンの団信(団体信用生命保険)の手続き、夫の勤務先での退職手続き
1〜2か月:退職金の受け取り(手続きしてから実際に受け取るまで2か月ほどかかりました)
4か月以内:夫の確定申告(準確定申告)
その後じわじわ:車・家・携帯・光熱費などの名義変更、クレジットカードの解約
そして正直に書くと、銀行口座の相続手続きと不動産の相続登記は、いまだに終わっていません。それくらい、この2つは重いです。
大変だったランキング
第1位:銀行口座の相続手続き(いまだに完了せず)
亡くなった人の銀行口座は凍結され、解除には相続の手続きが必要です。必要書類が多く、平日に窓口へ行く必要があり、仕事と子育てをしながらだと、なかなか進みません。わが家ではこれが一番の難関で、今も完了していません。
つくづく思うのは、両学長(リベ大)がいつも言っている「口座は1つに絞る」の大切さです。口座が多いほど、残された家族はこの手続きを口座の数だけ繰り返すことになります。これは本当に、元気なうちにやっておくべきでした。
第2位:クレジットカードの解約(電話がつながらない)
意外なところで苦労したのがクレカの解約です。カード会社の窓口はとにかく電話がつながらない。何度もかけ直して、待たされて、仕事の合間には全然進みませんでした。
これも口座と同じで、カードの枚数だけ手間が増えます。夫婦それぞれ、使っていないカードは元気なうちに解約しておくのが、残される側への思いやりだと今は思います。
第3位:役所の申請ラッシュ(書類が多い・何度も通う)
遺族年金、児童扶養手当、葬祭費、健康保険……。役所関係は一つひとつはやればできるのですが、書類が多く、平日しか開いていない窓口に何度も通うことになります。
はっきり言って、フルタイムで働きながらでは、とても無理な量でした。もしこれから向き合う方がいたら、忌引きや有休をまとめて取って「手続きの日」を作ることをおすすめします。1日で複数の窓口を回れるよう、事前に電話で必要書類を確認しておくと往復が減ります。
番外:夫の確定申告(準確定申告)
亡くなった人の確定申告は「準確定申告」といって、相続を知った日の翌日から4か月以内にする必要があります(出典:国税庁)。
これが精神的にきつかった。自分の確定申告とは書式が違い、知識もない中で、夫の収入の書類をかき集めて数字を埋めていく作業は、苦痛としか言いようがありませんでした。期限があるので放置もできません。もし余裕がなければ、ここは税務署の相談窓口や税理士に頼っていい場所だと思います。
手続きの日々で、いちばん心にこたえたこと
事務的な大変さとは別に、忘れられない瞬間があります。
書類の「配偶者の有無」の欄で、「無」に〇をつけたときです。手続きとしてはただの〇ひとつなのに、夫がもういないことを紙の上で認めさせられるようで、気がめいりました。
ただ、これも正直に書くと——死後すぐの時期は、ある意味で忙しすぎて、悲しむ時間がなかったんです。目の前の書類を片づけることに追われて、考え込む暇がなかった。あとから振り返ると、事務手続きに没頭できたことは、あの時期の私にはかえってよかったのかもしれません。
「早くやるべき」と「後回しでいい」
最後に、私の実感での仕分けです。
早くやるべきだったこと:口座とクレカを1つに絞ること。これは手続きではなく「生前の備え」ですが、これをしておくだけで、残された家族の負担が何分の一にもなります。わが家はしていなかったので、私はいまだに銀行を回っています。
後回しでよかったこと:不動産の相続登記。2024年から義務化されていますが、期限は相続を知った日から3年以内です(正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の可能性があります。出典:法務省)。急ぎの手続きが山ほどある時期に、これまで一気にやる必要はありません。私も落ち着いてから取り組むことにして、後回しにしています。※期限だけはカレンダーに入れておきましょう。
まとめ
夫を亡くしたあとの手続きは、量も種類も想像以上でした。でも、ひとつずつなら必ず終わります(終わっていないものもありますが、それでも生活は回っています)。
そして何より伝えたいのは、手続きの大変さの半分は生前の備えで減らせるということです。口座とカードを絞る。保険や年金の内容を夫婦で把握しておく。それだけで、残された人の1年はずいぶん変わります。
同じ日々の中にいる方へ。全部を完璧にやらなくて大丈夫です。急ぐものから、ひとつずつ。この記事がその見通しになれば嬉しいです。

